ジュラ紀を思わせるヒカゲヘゴの森。そこでは、スピルバーグ監督の《ジュラシック・パーク》の中でのように恐竜が闊歩していても不思議はないような気がする。
ヒカゲヘゴは樹高10メートル以上にもなる木生シダで、椰子のように巨大な葉を茂らせる様はいかにも南国情緒を醸し出す。分布は奄美諸島、沖縄諸島、台湾、フィリピンなど。かつてシドニー西方にあるブルーマウンテン国立公園でよく似た木生シダを見たことがあるが、おそらく別種であろう。
ヒカゲヘゴの幹は葉柄の落ちた痕が独特の模様となり美しい。園芸家はこの幹にオオタニワタリなどのシダ植物を着生させて、フラワーポットとして利用する。