大笠利に住んでいた小学生の頃、家の周囲に珊瑚の石垣がめぐらされており、その周辺には沢山のオカヤドカリが棲んでいた。それらを拾い集めて(貝殻を金槌で割って)、釣りの餌に使ったことを憶えている。
オカヤドカリの主な生息場所は海岸のアダン林であるが、現在はほとんどの集落に漁港やコンクリートの防波堤が作られているので、その周辺で見つかる機会は少ないと思う。けっこう雑食性で、バラけて落ちたアダンの実を食べたりもする。寿命は20年以上という。産卵は6〜8月の大潮の頃の夜、海岸の浅瀬で行われる。
住宅難は彼らの世界にも及んでいるらしく、貝殻の代わりにペットボトルのキャップを背負っているオカヤドカリもたまに見つかる。ムラサキオカヤドカリは大きいので、サザエ程度の貝殻が必要である。なお、日本に生息するオカヤドカリは1970年に天然記念物に指定された。
写真@ にげようと試みるオカヤドカリ。
写真A 枯れ木の根元に群れて。
写真B さまざまな貝殻を利用する。
写真C ムラサキオカヤドカリ。