地元新聞によれば、7月16日に加計呂麻島の徳浜海岸で、日中アカウミガメの産卵が見られたという。警戒心の強いウミガメは夜間に産卵するのが普通で、これはきわめて珍しいケースだと思われる。
奄美各地の海岸では6,7月を中心にウミガメが卵を産んでいるはずであるが、私は去る6月に龍郷町の東シナ海側の海岸で、アカウミガメの産卵を初めて見ることができた。夜10時頃上陸したカメは砂浜を20mほど這い上がり、何度か試しに砂を掘ってみて、気に入った場所が見つかると本格的に穴を掘り下げ、産卵を始める。20〜30分かけて産卵を終えると穴を埋め戻す。そのあと産卵場所の周辺をあちらこちら少し掘っては砂を掛けるという行動を繰り返し、本来の産卵場所を分からなくしてしまう。こうした行動はDNAに刷り込まれているに違いなく、生き物の不思議さに感動した。
上陸してから海に戻るまでの時間は約2時間であった。ちなみに、徳浜に上陸したカメは80個ほどの卵を産んだそうである。(平均的には100個前後。)