オオタニワタリは日本の温暖な地域に広く分布するチャセンシダ科の着生シダである。奄美は雨が多く平均気温も高いので、オオタニワタリにとって好もしい生息環境のようである。
シダ植物なので胞子を飛ばして繁殖する。薄暗い林内の樹幹や渓流沿いの岩の上などに着生しているのがよく見られる。ああいう場所でどうやって養分を吸収するのか、あるいは合成するのか不思議な気がする。また、台風などの強風によってどうして木からもぎ落とされないのだろうか。
12,3年前に小石に着生したオオタニワタリを知人から頂いた。2cmほどの葉が3,4枚出たごく小さなものであった。はじめ水盤に入れて眺めていたが、その後土を入れた花鉢に小石ごと移した。それが今では1mを超す葉(長いものは1.4mもある)を数10枚も着けた大型シダに成長している。これによりオオタニワタリは土の上でも成長するということが分かった。