地元新聞によれば2009年7月22日の皆既日食を見るために約15,000人の旅行者が奄美大島を訪れたという。ホテルや旅館、民宿などはどこも予約で満杯。笠利町や龍郷町では大規模なテント村も用意された。
当日は朝7時半、家内と東京から来た青年との3人で自宅を出発。8時頃観測場所に到着。大笠利の集落やアヤマル岬を見はるかす高台にはぼつぼつ人が集まり始めている。残念ながら天気は薄曇り。ときどき薄日が射すもののすぐに陰ってしまう。9時半頃専用メガネで見上げると、太陽の上部が欠け始めているようだ。10時、10時半と時間の経過とともに“食”が進んでいく。私のカメラではぼやけた
映像しか写らないが、専用メガネではその様子が確認できる。
10時50分頃急に辺りが暗くなり、ひんやりした風も吹き出す。52分頃には水平線が朝焼け(または夕焼け)のように染まり、周囲の人々の顔も判別できないほど暗くなった。皆既は3分ほど続き、急に光が戻ったかと思うとみるみる辺りは明るくなった。この神秘的体験に人々はみな感動の面持ちであった。