筆者:別府厚生
  1938年東京生まれ。少年時代と1974年以降、奄美大島在住。
  趣味は写真撮影、ヴィデオ撮影、釣り、囲碁等。


写真@聖心教会


写真A瀬留教会



写真B大笠利教会



【 奄美のカトリック教会】



□1549年フランシスコ・ザビエルが鹿児島に到着し、日本におけるキリスト教の宣教が始まった。信長は宣教を支援したが、その後を継いだ秀吉は後にキリスト教を禁止した。1597年彼によって処刑された殉教者のうち42人が聖人に、205人が福者に列せられている。(19世紀と20世紀に。)
 
□江戸時代初期にも禁教施策の下多数の老若男女の殉教者があった。さる11月24日には長崎市において、その時代の188人を福者に列する「列福式」がヴァチカン主催で執り行われた。長崎県は江戸時代に隠れキリシタンの多かったところで、その伝統からカトリック教会が数多く見られる地域である。
 
□奄美大島でカトリックの布教が始まったのは1891年とされる。したがって今年で118年の歴史をもつ。奄美では神社やお寺はほとんど目立たないが、カトリック教会の数は多く、風景の一部を成している。例えば笠利町に7つ、龍郷町に7つ、奄美市名瀬地区に11といったぐあいに大島本島北部と中部に多くの教会がある。殉教の歴史はないが、戦時中には軍部による迫害・弾圧を受けた。



写真@ 名瀬地区にある聖心(みこころ)教会。
 
写真A 龍郷町の瀬留教会(12月に献堂100周年を迎える)。
 
写真B 笠利町の大笠利教会。
 
写真C 大笠利の教会墓地。

写真C大笠利の教会墓地