梅雨時(車または徒歩で)山中に分け入ると渓流の水嵩がましていて、瀬の音が一段と勢いよく響いて清涼感を誘われる。奄美で最も高い山は宇検村の油湾岳であるが、高さは694mにすぎない。したがって奄美には本土で見られるようなスケールの大きな滝は少ないが、それでもなかなか魅力的な有名無名の滝がある。今回はその中で名前の付いた4つの滝を紹介したい。
@ マテリアの滝
大和村の“フォレストポリス”の近くにあって、住用川の上流をなしている。滝の落差はごく小さいものの、滝壺の大きさは奄美で最大。名音集落から車で10分ほどで行ける。
A アランガチの滝
宇検村の新小勝(アランガチ)集落のすぐ裏手にあって、水量も豊かでなかなかの迫力。村の横手を流れる小川に沿って1,2分車を進め、みかん園の入り口辺りで停車すると滝の水音が聞こえてくる。最も簡単にアクセスできる。
B フナンギョの滝
住用町川内村から1.5kmほどのところにある。「舟木を伐りに行くところ」というのが名前の由来だという説がある。見上げるような高い岩肌を流れ落ちる水流は圧倒的。滝の麓の橋までどうにか車で行けるが、車の数が多いと、U-
ターンに苦労する。
C タンギョの滝
住用川に流れ落ちる落差の大きな滝で、滝壺からの高さは100〜120mといわれる。ただし、非常に行きにくい場所にある。写真は九州電力の神屋ダムに通じる山道の途中から撮影したもので、滝全体の一部分しか捉えることができなかった。