◇ 4月になると海辺の山裾や断崖にテッポウユリという名の野生のユリが咲き出す。とても香りの高いユリで、室内に生けると夜間家中を芳香で満たしてくれる。
◇ 隆起珊瑚礁の島である喜界島では海から続く古い珊瑚の岩場に普通に見られるし、奄美大島でも海岸地帯や海に面した山肌に咲きほこる。とくに笠利崎(通称用岬)の崖に咲くユリは有名である。
◇ 岩の上では土が乏しいせいか一輪咲きが多いが、条件のよいところでは二輪、三輪ないしはそれ以上の花を付ける。
◇ エラブユリとして知られる沖永良部島のユリは、テッポウユリの改良種といわれ, 主要輸出農産物のひとつとなっている。1本の茎にときには数十の花を付けることがある。