写真@ 省エネしながら一緒に冬を越そう。 |
【 リュウキュウアサギマダラ 】 ◇冬の寒い日、笠利町宇宿漁港に近い林の中を歩いていて、なにげなく通り過ぎた木の枝に、ふと振り返ってみると無数の蝶がぶら下がっていることがある。はじめ枯れ葉と見えたのは実はリュウキュウアサギマダラで、よく気をつけて探すと、そこここの木の枝や蔓に張り付いた蝶が風のまにまに揺れている。なんとも幻想的な風景である。
◇リュウキュウアサギマダラは以前このコーナーで取り上げた旅する蝶アサギマダラ(バックナンバー[2006年12月]を参照下さい)に色や形がよく似ているが、サイズはやや小振りである。奄美以南の島々や東南アジアに広く分布するが、九州でも迷蝶として見られることがある。奄美や沖縄で知られる習性として、アサギマダラのような季節移動はせず、冬になると北風の強く当たらない南向きの谷川や海辺の林内に集まり、木の枝や蔓などにぶら下がって成虫のまま越冬することが挙げられる。
◇気温が12度を下回ると死んだように全く動かないが、太陽が昇り14〜5度になると翅を開いたりして飛び立つ気配を見せる。さらに気温が上昇すると、日溜まりを見つけて日向ぼっこをしたり、近くの花にとまって吸蜜したりする。夕刻気温が下がると再びねぐらに集まってくる。こうした越冬風景は3月中頃まで見られる。
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