和名でキダチチョウセンアサガオとかオオバチョウセンアサガオとか呼ばれるこの花はナス科に属する。ブラジル原産であるが、いまでは庭木というより、野生化したものが湿地や山地で普通に見られる。高さ3〜5メートルになり、冬場を除いて年に何回か花を咲かせる。しかし初夏の頃の花が最も勢いがよく美しいといえる。
花は大輪で下向きに咲く。芳香があり、夜間に匂いが強まる。白色のほかに、ピンクや黄色の品種も開発され、色つきのものは最近庭木として目立つようになった。
奄美で最晩年の19年間を過ごした画家田中一村もこの花を描いている。縦長の画面の上半分に白いダチュラを密集して描き、下方中央にアカショウビンを配し、左下に濃緑の大柄なダチュラの葉を描きこんだ美しい作品である。(未見の方はNHK出版から出ている『田中一村作品集』でご覧になることができます。)