筆者:別府厚生
  1938年東京生まれ。少年時代と1974年以降、奄美大島在住。
  趣味は写真撮影、ヴィデオ撮影、釣り、囲碁等。


*写真1: 3月下旬民家の庭先で。


*写真2: 山あいで満開の成木。3月下旬。


*写真3: 住用川の上流。



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【アマミセイシカ】

3月中頃になると住用や宇検方面の民家の庭先で白い清楚な、ツツジに似た花が目立ってくる。アマミセイシカである。ツツジ科とはいえ本来深山育ちで、高貴な感じのする花である。近年、採取や開発のせいか、著しくその数を減らしている。自生地は、悪路を難渋しながらたどりつく住用川や河内川上流の山あいや渓流沿いとかに限られるようである。「幻の花」と称されるのも尤もである。

 5枚の花弁の一片に黄緑色の斑点があり、花冠全体は微かなピンクを帯びる。漢字で「奄美聖紫花」と宛てるが、紫からはほど遠い。成木は大きいもので6〜7メートルに達する。奄美固有種とされるが、石垣島以南のセイシカと同種だという説もある。(写真で見るかぎり、葉や花の形に微妙な違いがあるように見える。)

 園芸業者は挿し木で殖やす。しかし親木に限りがあるので、これが有効な方法ともいえない。管理もなかなか難しい。私は過去3回ほど小さな鉢植えを買ったが、いずれも枯らしてしまった。バイオテクノロジーを応用して個体数を殖やし、自然に戻すことはできないものだろうか。