【アサギマダラ】 アサギマダラは旅する蝶、海を渡る蝶として知られる。1000kmから2000kmも季節移動するといわれる。最近はその羽にマーキングをして、その飛行ルートを解明しようという試みが盛んになっている。 ある最近のTV番組によれば、今年4月2日に喜界島でマーキングされた蝶が4月4日に鹿児島県の指宿市で捕獲された。350kmの距離を3日間で飛んだことになる。同じく喜界島で放たれた蝶が2週間後に宮崎県の清武町で、マーキングがはっきり読み取れる状態で撮影された例もある。 あの小さな体のどこにあれほどの飛翔能力が秘められているのだろう。気流を利用して飛ぶのだという説がある。それは大いにありうることだ。面白いのは、海に浮かぶ蝶らしきものを見たという漁師の報告である。もっとよく見ようと近づいたところ、あわてて飛び立ったという話である。アサギマダラが海面で休息していたのだろうか? 奄美大島では晩春から初夏の頃、北上に備えて吸蜜する姿がよく見られる。また晩秋から初冬には、南下の途次に立ち寄って、しばしばヤマヒヨドリバナやツワブキの花に群がっている。 |